またアンケート企画をやってしまいました。分析がめちゃくちゃ大変なんですけど、楽しいんですよねぇ。
今回は、リアコに関する調査です。
「リアコ」はオタク用語で、推しにリアルに恋している状態を示します。
これについて考えるきっかけになったのは着飾る恋です。
丸山さん演じるハルちゃんがとある記事で「リアコ製造機」と呼ばれていたり、プライベート感溢れるインスタライブでTLのオタクたちに「彼氏と勘違いしてしまいそう」と言わしめていたけど、丸山担って実際リアコな人多いのかな?
エイトだと誰が一番リアコ製造機なんだろう?
ていうか、みんな推しに対して恋愛感情ってある?
恋愛感情と「推したい」という感情って、何が違う?
そのあたりを見ていきたいと思います。
細かい値は書きませんが、統計的な分析もちょこっと行っています。有意水準は5%です。
①アンケート調査についての概要
191名の方に協力していただきました。ありがとうございます。
担当の内訳は以下のようになっています。
複数推しがいる場合はアンケート回答時に最も好きなメンバーを選んで答えてくださいとお願いしたため、正確な各ファンの割合を表しているものではありません。
また、今回は前回の調査よりも参加人数が少なかったため、私のフォロワーさんが誰を好きかというのがかなり反映されしまっていると考えてください。
20代の方が半数近くを占め、10代以下、30代、40代と続いていきます。
担当ごとに見ていくと下のような結果になりました。
横山担は10代以下の占める割合が最も多く、ついで20代の割合も高くなりました、大倉さんを覗く他のメンバーのファンよりも圧倒的に若い傾向にありました。
交際中の相手がいる割合は7.1%、結婚経験がある割合も同じく7.1%となりました。他のメンバーと比べるとこちらも圧倒的に低い値です。
村上担は今回最も参加してくださった方が多いです。そのため、全体の年齢比率と似た結果になりましたが、やや30代以上の方が多いです。
交際中の相手がいる割合は20%、結婚経験がある割合は16.5%となりました。
丸山担も村上担や全体と似たようなグラフを描いていますが、村上担よりは30代以上の方が占める割合が少し減少し、10代の割合が少し増えています。
交際中の相手がいる割合は18.0%、結婚経験がある割合は13.5%となりました。
安田担は30代の占める割合が他よりも多くなりました。
交際中の相手がいる割合は34.8%、結婚経験がある割合は21.7%となり、最も高いです。
大倉担でも横山担に次いで10代以下の占める割合がかなり高くなりました。同時に20代の占める割合が唯一半数になっており、横山担と同じく他の3人のファンと比べて若い傾向にありました。
交際中の相手がいる割合は18.8%、結婚経験がある割合は12.5%となりました。横山担に近い年齢構成ですが、こちらはそこまで低い値ではありません。
ランダムにサンプルを抽出できたわけではないので、実際のそれぞれのファンの年齢分布とは違った結果になっているかもしれません。
なんとなく大倉担は若いイメージがあったのですが、横山さんのファンは落ち着いた20代くらいに見えるお姉さんが多いイメージがあったので、少し意外でした。村上担の年齢層が上なのもなんとなく分かる気がします。
②尺度作り
今回のアンケートにはたくさんの質問項目があり、そこにどれだけ当てはまるかを答えてもらいました。
推しが夢に出てくる
推しの存在によって性格が変わったと感じる
推しと2人きりになりたいと思う
推しに触れたいと感じる
推しとキスしたいと思う
推しのことばかり考えてしまう
推しに自分のことを知って欲しい
推しに対して独占欲を感じる
推しに好かれたいと思う
推しを見ると気持ちが高揚する
推しの外見に魅力を感じる
推しの性格に魅力を感じる
推しが異性と接していると不快感を感じる
推しに会う前はドキドキする
アンケートの際は文章を否定系にした逆転項目が入っていましたが、聞いている内容は一緒です。これらはウェブサイトで「恋愛感情とは」と検索した際に出てくる記事を上からいくつか開いて抽出したものです。そのため、私が勝手に考えた物ではなく、かなり一般的に考えられている恋愛の定義になっていると思います。
また、恋愛をしたことがある人に対して、同じ項目が恋愛対象に対して当てはまるかどうかを質問しました。
参加者には推しに対して自分がリアルに恋をしているかどうかを1(当てはまらない)から4(当てはまる)までで答えてもらいました。
リアコではない推しに対する感情と恋愛感情というのは、一部被るものがあると思います。それらのどこが似ていてどこが似ていないかを分析するために、上の質問で1と答えた人(リアコではない人)の回答と、恋愛対象に対しての回答を比較しました。
リアコではない人の質問項目に対する回答は全体的に低い値を取りましたが、5つだけ平均が6を上回る項目がありました。
推しを見ると気持ちが高揚する
推しの外見に魅力を感じる
推しの性格に魅力を感じる
推しが異性と接していると不快感を感じる
推しに会う前はドキドキする
これらは推しであってもリアルに恋している相手であっても当てはまる感情だと考えられます。実際内訳を見ると、外見や性格に魅力を感じる、推しに会う前や会った時はテンションが上がるといった、推しに対して一般的に当てはまりそうなものが多いです。
少し意外だったのは、「推しが異性と接していると不快感を感じる」がここに入ってきたことですね。着飾る恋でのハルハセ(丸山さん演じる寺井と中村アンさん演じる羽瀬)の結婚に対しても、タイムラインでは素直に楽しんだり喜んだりすることができない人をよく見かけましたが、これはリアコということに関係なく、ある程度一般的なオタクの感情なのかもしれません。
残った項目は改めて以下の10個です。
推しが夢に出てくる
推しの存在によって性格が変わったと感じる
推しと2人きりになりたいと思う
推しに触れたいと感じる
推しとキスしたいと思う
推しのことばかり考えてしまう
推しに自分のことを知って欲しい
推しに対して独占欲を感じる
推しに好かれたいと思う
相手との双方向の関係を求める項目が目立ちます。例えば、推しの恋愛報道が出ると落ち込むけど、自分が推しと付き合いたいわけではないという場合は、リアコではないのかもしれません。
10項目の取った値を参加者ごとに平均することで、合成変数として扱いました。ここからこの合成変数を「リアコ度」と呼ぶことにします。
恋愛対象へのリアコ度と、自分はリアコではない(回答が1の全く当てはまらない)と答えた人のリアコ度を比較してみましょう。
上(恋愛対象に対するリアコ度)と下(リアコではない推しに対するリアコ度)は明らかに違いがあります。上の平均は7.23、下の平均は4.41となりました。これらの差は統計的にも有意でした。(有意≒この結果が偶然ってことはほとんどないと思うよ)
1~4で推しに対してリアルに恋をしているかどうか(つまり自覚の度合い)を聞いていたので、そちらの平均も比較してみましょう。1と答えた人は先程述べた通りリアコ度4.41、2の場合は5.68、3の場合は7.03、4の場合は7.78になりました。ここまで綺麗に結果が出ると気持ちいいですね。散布図にしてみました。
回帰直線の傾きが1.16と正の値を取っています。つまり、自覚度が1上がるごとに平均してリアコ度が1.16上がっているということになりますね。こちらも有意でした。
ここまでの結果から、今回私の作成したリアコ度という指標は信頼できるものだと考えたいと思います。
③他の条件との関連
というわけで、いよいよリアコ度に関する本格的な分析に移ります。まずは他の質問と比較していきましょう。
まずは年齢とリアコ度です。なんとなく若い人の方がアイドルに恋をしやすいのかなと思っていたのですが、どうやらそうでもないようです。回帰直線は小さな正の傾きを示していますが、これは優位ではありませんでした。つまり、年齢による相関はほとんどないと考えられます。
面白いのが40代の分布ですね。完全に上下に分かれていて、リアコ度の高い群と低い群が視覚的にもわかります。30代にも分離している傾向が見られますが、10代と20代では分離が小さいように見えます。年齢の高い世代の方が、推しをリアルに恋愛対象としてみているか、全く見ていないかに分かれるのかもしれません。
続いて担当ごとに見ていきます。
平均は横山担が6.4、村上担が5.1、丸山担が6.1、安田担が6.4、大倉担が4.6になりました。
最頻値は横山担が6~7、村上担が4~5、丸山担が7~8、安田担が7~8、大倉担が3~4でした。
ヒストグラムで見ても、大倉担は明らかに分布が左に偏っていて、最頻値が3~4になっています。しかし、6~7にも小さな山ができているため、リアコ層もいるようですね。
その次に平均値の低い村上担ですが、大倉担に比べると綺麗な一つの山に近い形になっています。大倉担の場合は、リアコな人もそうじゃない人もいるけど、そうじゃない人の方が多かったと捉えられますが、村上担はどちらかというと全体的にリアコ度が低いのではないでしょうか。しかし、よく見ると村上担も大倉担と同じく7~8のところに凸があります。
大倉担と村上担はリアコ度の平均は0.5ポイント差で、最頻値も5以下でした。
その次に低い丸山担と村上担では平均に1ポイント近く差があり、最頻値も一気に3上がっているので、ここでグループを分けていいと思います。
リアコ度が低いグループが大倉担、村上担で、平均が4.6~5.1、最頻値が3~5です。
リアコ度の高いグループが丸山担、安田担、横山担で、平均が6.1~6.4、最頻値が6~8です。
続いて丸山担について見ていきます。こちらはかなり綺麗に2つの山が見られます。大きい方の山の頂点が6~7、小さい方が3~4なので、綺麗に大倉担と被りますね。全体的にリアコ度が高いというよりは、リアコじゃない人よりリアコな人の数が多いと推測できます。
その次が安田担です。ヒストグラムに断崖絶壁が見られます。最頻値の7~8が飛び抜けているので、リアコな人が多いだけではなく、他のメンバーよりもリアコ度が高いようです。こちらも3~4に小さい山ができましたが、丸山担よりも圧倒的に小さくなっています。
最もリアコ度が高かったのが横山担になりました。こちらも6~7が飛び抜けています。しかし安田担よりは最頻値が低い値を示しているため、リアコ度が高いというよりは、リアコな人が多いことが平均値を上げた要因だと思います。
まとめると、リアコ度の平均が上がる要因として、①リアコな人の数が多い、②全体的にリアコ度が高い、という2つが推測できました。
①の人数が少ないことで、リアコ度が低くなったのが大倉担。
②の全体が低い値を取ったため、リアコ度が低くなったのが村上担。
①の人数が多いことで、リアコ度が高くなったのが丸山担と安田担。
②の全体が高い値を取ったため、リアコ度が高くなったのが横山担と安田担。
このように分類できると思います。
先ほど年齢とリアコ度に関係がないという話をしました。担当ごとの結果でも、年齢層の低い横山担と大倉担、年齢層の高い村上担、丸山担、安田担という括り方ができなさそうなので、より年齢とリアコ度に関係がないという推測は妥当だと考えられます。
また、最も結婚したことのある人もしくは交際中の相手がいる人の割合が小さかったのが横山担で、大きかったのが安田担でした。しかし、横山担と安田担はどちらもリアコ度がツートップで高くなっています。こちらもリアコ度を変化させる要因にはなっていないように思えます。
そのため、「誰のファンか」ということが、「どれくらいリアコか」に大きく関わっていると考えられます。
④その他の結果
本筋でやりたかった調査は③までにまとまっているのですが、他にもいくつか関係ない質問をしてみたので、そちらの結果を確認していきたいと思います。
まず、推しが表紙をしている雑誌を購入する度合いは上から順に安田担(8.6)、横山担(7.9)、丸山担(7.7)、村上担(7.6)、大倉担(6.8)になりました。
以前の調査では村上担が高い値を取ったのですが、今回は安田担が飛び抜けていますね。
あれ?これリアコ度と同じ順番じゃん。
とはいえ今度は安田担と横山担が0.7ポイント差、村上担と大倉担が0.8ポイント差と大きく、横山担から村上担までが0.3ポイント差と密集しているので、関係ないとは思うのですが、まさかのシンクロ。
一応相関も調べてみました。横軸が雑誌を買うかで縦軸がリアコ度です。ほぼ関係なさそうですね。
また、担当以外のメンバーにリアルに恋しているかどうかも聞いていました。圧倒的に「いいえ」という回答が多かったですが、ランキングにしてみました。
1. 丸山隆平(13票)
2. 村上信五(11票)
3. 安田章大(4票)
4. 横山裕(3票)
5. 大倉忠義(2票)
こっちはビックリするくらいリアコ度との関連が薄いですね。一番リアコ度の低かった大倉さんがこちらでも最下位ではあったものの、4位が横山さんですし、2位には村上さんが入っていますし。
⑤まとめ
最初に考えていた疑問に答えておきましょう。
丸山担って実際リアコな人多いのかな?
→多い方ではある。でも丸山さんは他担から恋される率の方が高め。
エイトだと誰が一番リアコ製造機なんだろう?
→安田さんと横山さんが並んだ。
ていうか、みんな推しに対して恋愛感情ってある?
→わりと半々。
恋愛感情と「推したい」という感情って、何が違う?
→相互の交流が欲しいかどうか。(嫉妬するかどうかではない)
ちなみに、リアコ度が低いメンバーが良いとか悪いとか言う意図は一切ありません。
恋されるだけがアイドルではないですからね。技術的な部分に惹かれたり尊敬したりすることも多いでしょうし。一方で恋したくなるような魅力があるのも素晴らしいと思います。
わりとメンバーごとにかなり異なる傾向が見られたのが面白かったですね。
エイトにはそれぞれ別々の魅力を持ったメンバーが揃っているというのが、この結果からだけでも見て取れるような気がします。
長々とお付き合いありがとうございました。アンケートに協力してくださった方もありがとうございます。また機会がありましたらご参加ください。