そーゆーとこツボなのさ

終日もう君に夢中

アイドルを好きになって呪いが解けた

女の子は可愛くあるべき。

 


弱くあるべき。守られるべき。可愛くなりたかった。自分の背の高さが嫌いだった。自分の顔が嫌いだった。虫が嫌いだった、おばけが怖かった、フリをした。彼氏が欲しかった。少女漫画を借りて必死に読んだ。

 


さようなら、過去の私。

 


アイドルに出会って人生が変わった。

そんな話は多分色んなところに転がり落ちてるんだろうけど、私の人生もその内の一つ。

なんとなく、それを整理して書き留めておきたくなった。

 


私の推しは関ジャニ∞村上信五である。

とにかく顔が可愛い。身長は169cm。あだ名はヒナ。虫とおばけが怖い。辛いものが苦手。脚の長さが狂ってる。

愛想がよく、テレビでよく「アイドルっぽくない」と弄られてる、あの人。

 


まぁ人によって捉え方は変わるかもしれないが、私から見れば可愛いの塊だ。

なんでそんな弄られ方をしてるのか分からないくらい自分がアイドル(というより関ジャニ∞)であることにこだわりを持っているし、あざとい。

 


私。顔が可愛いと言われたことはないが、メイク映えしそうとはよく言われた。身長は168cm。小学校の教室に現れたクモを逃してヒーローになり、お化け屋敷でゲラゲラ笑うタイプ。辛いもの大好き。スタイルはそれなりに、悪くはないと思ってる。

初対面の人には怖がられることが多く、間違ってもいじられたりはしない。

 


推しとの共通点?骨格ストレート。

あと名字が「き」で終わるので、一時期先生にキングと呼ばれていた。

(今考えるとかなり面白い)

 


いわば正反対の人だった。

出会った頃の私にとって、みんなから可愛がられる愛嬌の塊のようなヒナちゃんは、頭を掻き毟って嫉妬するほど羨ましい存在だった。

 


女の子らしく、の病。

それは多分、ほとんどの女性が大なり小なり経験するものなのではないだろうか。

 


私は重度の女の子らしく病を患った。

 


別に親がそういう人間だったわけじゃない。

祖父母は世代的なこともあってそれなりに「男は男らしく」みたいなことを言う人だったけど、だからといって何かを強制されたわけでもない。

友達から「お前男かよ」みたいなことを言われたわけでもない。

大きなきっかけがあったわけではないけど、少しずつ、一滴ずつ水が溜まって、いつのまにかコップから溢れていた。

 


女の子らしく、可愛く、そして、"弱く"ないと。

 


おばけや虫が平気ではいけない。

洗脳は成功した。中学生になる頃には立派な虫嫌いになっていたし、お化け屋敷で他の友達と一緒に高い声で叫んでいた。弱々しい女の子。

 


好きな男の子より身長が高くてはいけない。

望みは叶わず、私の身長は大学2年生まで伸び続けた。

いつかは男の子の方が背が高くなるだろうと思っていたが、結局今でも出会う男性の4割くらいは私より背が低い。

ヒールを履くのはやめた。猫背になった。

 


足を閉じなければいけない。

これは成功した。何時間足を閉じてても平気。でもいつのまにか、O脚になっていた。膝だけを閉じていたことで内股になったのだろう。めちゃくちゃ後悔している。

 


少女漫画でキュンキュンしなければいけない。

友達に借りて、たくさん読んだ。でも自分のお金を使う気にはなれなかった。

ほんとは少年漫画が好き。でも言わない。

友達が「○○くん(少女漫画に出てくるキャラ)カッコイイよね!」と言っていたが、キャラの名前と顔がいつまでも覚えられなかった。

 


ジャニオタになったら終わり。

元々目が丸々してて顔がちっちゃい感じの男の人が好きだった私は、ジャニーズの顔が好きだった。

でも、アイドルに夢中で現実の恋愛を捨てるなんて、終わってる。

 


挙げ始めればキリがない。

きっと今では思い出せないものもある。

色んなルールを作って、弱々しい女の子、可愛い女の子を演じるように頑張ってきた。

努力は虚しく、誰にも可愛いとは言われなかったし、好きな男の子からも振られてばかりだった。

ようやく付き合えた2年間片思いした男の子からも、たった3ヶ月で振られてしまった。

私はもう疲弊していた。疲れた。ブスすぎて死にたい。

 


それから1年ほどの恋愛断食期間が続き、出会ったのが関ジャニ∞だった。

 


もう現実の恋愛なんてめんどくさい。いいや、終わっても。

 


そんな投げやりな気持ちもあった中でハマった関ジャニ∞および、村上信五

特に推しである村上さんとの出会いは、私に一つ今まで無かった感情をもたらした。

 


「可愛がりたい、愛でたい、守りたい、抱きたい」

 


今まで「女=される側」だと思っていた私が、一歩外に踏み出した瞬間だった。

 


幸い私は虫がいける。おばけも全く怖くない。勉強もできる。身長も高い。きっと彼を守れる。

 


今までコンプレックスだった部分が、一気に私の強みに変わった。

途中で推しのことを分析したいあまりにパーソナルカラー、パーソナルデザイン、骨格診断などとも出会った。

可愛らしくなりたかった私は、大人っぽく華やかな格好が似合うPDロマンスで、強い色が似合うPC冬だった。

自分に似合う格好をしたら、周りの人から「綺麗」「可愛い」と言われるようになった。

女性に褒められるのは、ただただ嬉しかった。

もちろん、周りの男性からも「可愛い」と言われることが増えた。

 


喉から手が出るほど欲しかったはずの「可愛い」

 


ようやく手に入れたのに、全然嬉しくない。

あれ?私が欲しかったの、これだっけ?

 


正直、性的に消費されることが女の価値だと思っていた。

ある時、知り合いの男性が自分のことを話している会話を聞いてしまった。

彼はよく私に対して「可愛い」と言ってくれていた。

 


「やりたい」

 


その一言を聞いたときに、「可愛い」が吐きそうなほど気持ち悪く感じることに気づいた。

よく考えたら、私、男と付き合いたいと思ってない。

私の妄想する好きな男性との付き合い方は、いつも明るいカフェで楽しい話をする場面だった。

それは別に女友達が相手でも構わない。

手を繋ぐこと、ハグをすること、頭を撫でられること、行為をすること、それらに対して嫌悪感を抱いている。

でも、男性に恋愛感情は抱く。

多分いわゆるノンセクに近いんだと思う。でもヒナちゃんを抱きたいとは思う。丸山さんを男としてエロいと思う。まだよくわかってない。ただのドS?

自認としてはクエスチョニングに落ち着いている。

 


当たり前のように好きになって、好きになられて、付き合って、順序を踏んでA、B、C…。

それが嫌?そんなことあるわけない。

そんな人いるわけない。

女は男に可愛がられるもんで、女は男に抱かれるもんで、女は弱いもの。

 


なんだそら。

私、そんなものにこだわって生きてきたのか。

気が強いとか、頑固とか、怖いとか、そんなことを言われるよりもよっぽど下心を含んだ「可愛い」の方が嫌だった。

あまり親しくない人から「(私)って気が強そうだね笑」と言われたことがあった。

その時は何故かすごく腹が立った。多分、女として勝手に土俵に登らされて、勝手に評価されてる感じ?分からないけど。

でもそこにいた友人が「強いよ、最強だよ」と言ってくれたのは、嬉しかった。

 


最強になりてえ。

最高で最強の人間になりたい。

 


サングラスとヒールを買った。身長を伸ばすために猫背とO脚を解消するストレッチを始めた。

170cm超えたいなぁ。

 


昔の私へ。確かに終わったよ。

ジャニオタになって終われた。

可愛い女の子、弱い女の子、守ってもらえる女の子、そういうしがらみを全部終わらせることができた。

 


よく考えたら私、1人でも平気だわ。

家で1人でTwitterしてテレビ見てダラダラするのが楽しくて、たまに出かけるときにメイクで武装して、サングラスをかけて、ヒールを履いて闊歩する。

彼氏は欲しくない。恋愛もしてない。

でも、昔よりすごく楽しい。

 


書いてて思ったんですけど、noteみたいな記事になりましたね。

なんかこういう記事よく見る気がします。

まぁともかく、推しには感謝してるんです。

マジで村上さんと出会ってなかったら、まだ女の子らしく病を引きずった人生送ってたのかなぁって。

そう考えると恐ろしい。

もしこれが誰かの呪いを解く手助けになるなら、それ以上に嬉しいことはありません。

まぁ、そんな大層な目的で書いてないんですけどね。ただの暇つぶしです。

 


ありがとう、ヒナちゃん、および関ジャニ∞

これからも応援します。