レコメン、ヒナちゃん卒業スペシャル前編に最後の30分で横山さんが現れた
知らされていなかったヒナちゃんの驚く声を聞いて私はすぐに誰が来たのか察してしまったのだ
それほどヒナちゃんは嬉しそうだった
そこから2人きりで昔のラジオを再現することになった時、私が抱いた気持ちは
「頼むから行かないで」
ヨコヒナだけのレコメンを聴きたくなくて、ノリさんでも桐山くんでも中間くんでもアラタさんでも誰でもいいからいて欲しかった
横山さんと犬猿の仲であり、ヒナちゃんを大切にしていることが伝わってくるアラタさんに勝手に感情移入をしていた
その前の2時間半もヨコヒナ時代のレコメンの音声が流されていたのだ
それだけでもう私は深夜にカツ丼を無理やり食べさせられたような胃もたれがして胃腸が悲鳴をあげていた
久しぶりのヨコヒナに湧くTLの中、私はひとりポツンと取り残されたような気分になった
最初はヨコヒナが苦手な自分が異端のように扱われるのが不満だったのかと思った
でもそれは正しい解答ではない
正直自分でもその気持ちがなんなのかイマイチわかっていなかった
でもとにかく横山さんの登場に喜んでいるTLもヒナちゃんも見たくなかったし聴きたくなかったけど目を閉じることも耳を塞ぐこともできなかった
聴かなければ良かったのかもしれない
その3時間で気づいたのは、私は確かにヒナちゃんに恋心を抱いている
でもそれは多分他の人が想像するような形ではない
簡単に言えばヒナちゃんの彼氏になりたいで伝わるだろうか?
これより前に書いたブログでも少しだけ触れたことがあるが、私がヒナちゃんを好きになったきっかけの感情は「可哀想」だ
それが「可愛い」へと繋がってファンになったわけだが、「可哀想」と「可愛い」は音が似ているだけの言葉ではない
ほぼ同一の感情といっても差し支えないだろう
とにかく私は、可哀想な可愛いヒナちゃんをこの手で守りたかったし閉じ込めたかった
きっと笑われるだろうけど、王子様になってヒナちゃんを迎えに行く妄想を何回したことだろう
私はほとんどのヒナちゃんの周りの人物に嫉妬したことはない
あっても羨む程度
それでも唯一私には嫉妬の対象であった人物が存在していたのだ
それが横山裕
彼は私の望んだ可哀想で可愛いヒナちゃんを手にするということを叶えた人物に私の中では見えていた
しかもせっかく手に入れたヒナちゃんを汚して貶していじめて、それでもヒナちゃんに好かれているのが信じられなかった
私がヒナちゃんに抱いている感情は恋愛とは無関係だと思っていたのに
今思い出せばイフオアでヒナちゃんがどこか甘えの混じったような声で「よこ」と言った時も、
大阪太郎を歌わされてるヒナちゃんを聴いた時も、
横山さんが登場してワントーン明るい声で喋るヒナちゃんの声を聴いた時も、
横山さんに少しだけ寂しそうに「10時から来てくれたらよかったのにぃ…」というヒナちゃんを聴いた時も、
私は失恋しそうだったのかもしれない
それを否定しようと思ったが、否定できなかった
12時半にレコメンに唐突に現れて、それまでそこにいたばどを、言い方は悪いが蹴散らして、その場の空気を変えさせた
あの時ヨコヒナ2人きりのブースにファンが湧く中、私はブースの外側に追い出された人間だった
横山さんは妄想していたよりも柄こそ悪いものの間違いなく私の夢見た王子様だった
私のなりたかった存在だった
本当にバカバカしいと思う
100歩譲って女である私がヒナちゃんの彼女として付き合える確率はもしかしたら宝くじで1億円が当たるより低い確率だが存在していたかもしれない
でもヒナちゃんを私のものにすることは100%不可能だった
1ミリも希望などなかったのにヒナちゃんを手に入れられるかもしれないと心のどこかで思ってしまっていたのだろう
私の欲しい「可哀想で可愛いヒナちゃん」はまだ誰のものでもないと自分に信じ込ませていた
イフオアが終わって、ヨコヒナレコメンを聴いて、希望など元から一切なかったことに気がついた
それは多分イフオアが終わった時よりも私の中では悲しい瞬間だった
イフオアが終わった時はみんなと悲しいが共有できたから
3月は終わる
ヒナちゃんの幻影は消えた
それでも春は来る
私はどこへ向かえばいいのだろう