そーゆーとこツボなのさ

終日もう君に夢中

他人の人生喰らって生きてる

2018年〜2019年2月現在に至るまで何度も、アイドルってなんて過酷な仕事なんだろうと思った。

 

ざっくり整理すると

18.3 イフオア閉幕

18.4 渋谷すばる脱退発表

18.6 安田さんが手術と怪我を公表・大阪北部地震

18.7 渋谷すばる脱退・GR8ESTツアー開始

18.9 台風21号・東京最終日で推しが動けなくなる・タッキー&翼 解散発表

18.12 タッキー&翼 解散

19.1 嵐 活動休止発表

他にも色々あったが、とりあえずこの辺の出来事が私にとっては大きかった。

このブログを書こうと思ったきっかけになったのは丸山さんの発言だ。

録画していた2/2放送のサタプラを見たときに「丸山さんは自由な生活というのを考えたことは?」と質問された丸山さんが「いや、僕はもうもはや戻れないと思っているので。てか、もう自由な生活は僕は今更無理だと思ってます」と笑わずに答えたことに結構なショックを受けた。

 

あくまで私個人の主観ではあるが、村上さんと丸山さんはきっと自分の身体が限界になるまでアイドルなんだろうなぁと考えていた。

「もしもエイトじゃなかったら?」という質問に「死んでる(笑)」「死んでるんちゃう?(笑)」と奇しくもシンクロして答えた丸ヒナは、自分のファンのことを妻と称し実際に熱愛報道もほとんど出ない丸山さんと、「俺は一生プレイヤーやからこれからもよろしく」とタッキーに告げ、「僕のファンが1人もいなくなるまでずっと関ジャニ∞を続ける」と語った村上さんは、永遠にアイドルなんだろうと勝手に思い込んでたし、今もどこかで思っている。

 

体力馬鹿だとか言われる村上さんが一生だと言うんだから、それは本当に一生なんだろうと18/9/9までは思ってた。

でも2018年9月9日、村上さんは脱水・酸欠によってステージ上で動けなくなった。

この書き方だとここでヒナちゃん死ぬん!?って感じになってしまうので先に書いておくけど、今の村上さんはわりとピンピンしてる。

 

まぁともかく、あのとき9/8〜9/9の間で放送されていた27時間テレビのために私は9/8の午前6時45分から9/9の午後9時まで約40時間ほど、多少の仮眠は取ったが、ほとんどずっと起きていた。

そして27時間テレビも残り1時間、終盤というところで飛び込んできたのが先ほどの「ヒナちゃんが動けなくなった」という話だった。

そこから少し眠気の残っていた私の頭は一気に覚醒し、結局0時を回るまで眠ることはできなかった。

 

色んなことが頭の中を駆け巡った。

正直今だから言うけど「死」という文字もチラついた。

18年2月24日イフオアの余韻の残る中で見たTLにいきなり飛び込んできた大杉漣さんの訃報と参列してカメラの前で泣きじゃくる自担の顔も思い出した。フィギュアスケーターデニス・テン選手の殺人事件も思い出した。

気楽に考えるには2018年はあまりにも唐突に色々なものが失われる一年だった。

 

もう一回言うけど、今ヒナちゃんはピンピンしてる。

 

その時は参戦した某有名絵描きさんが「村上くん楽しそうだったから大丈夫だと思う!」なんて無責任な励ましをしてることにも死ぬほど腹が立った。

次の日起きるのが怖かった。

朝目が覚めてツイッターを見たら何かが失われていた、というのを短い期間で経験しすぎていた。

少し話は変わるが、私は9月の台風21号で被災し、5日間電気も水道も通らない生活を経験した。6月の大阪北部地震の時は、震源地から100メートルも離れていない場所にいて、異様な揺れに本気で死を覚悟した。

突然何かが失われる恐怖というのを知りすぎていた。

 

これで言うの3回目だけど、最終的にヒナちゃんはピンピンしている。

ラジオでも一部始終を語ってくれたし、特に仕事にも影響が出たようには見えなかった。

その時はヒナちゃんが無事だったことで頭がいっぱいでホッとしたという感情しかなかったと思う。

 

そして2019.1.22、関ジャニ∞GR8ESTのDVDが発売された。

メイキングは覚悟していた。

でもその前に本編を通して見たときに、収録公演である福岡オーラスでもヒナちゃんがかなりしんどそうにしていることに気づいた。

私はこの時まですっかり忘れていたのだが、私の参戦した名古屋3日目7/23の公演でもヒナちゃんは横山さんの最後の挨拶の時にぐったりと大倉さんにもたれかかっているのをこの目で見ていたのだ。

あとで明かされた通り、9/9のヒナちゃんは、3公演の後に一睡もせずめざましテレビの生放送に向かい、そのまま少しだけ仮眠を取ってコンサートを行っていたわけで、つまり倒れるための条件は揃っていた。

その分、そういう無茶をしたから倒れたのだろうと片付けることができた。

しかし名古屋最終日、東京最終日、福岡最終日のしんどそうな様子を思い出すとそれはスケジュールだけではなくヒナちゃんの身体自体に根本的な問題があるのではないかと思わざるを得ない。

 

あとでラジオでの発言を確認したところ、ヒナちゃんが倒れた原因は脱水、不眠、空腹、酸欠だった。

脱水と不眠は百歩譲ってあのスケジュールとあの気候なら仕方ないし、そこから酸欠が引き起こされたというのも理解できる。

しかし空腹と聞いたときに「オタクって無力だな」としみじみと感じた。

 

そういえば舞台から一本収録してレコメンというスケジュールの時にあまりにも空腹すぎて食べる量を間違って気持ち悪くなったり、夜10時に始まるラジオでその日一日クッキーしか食べていないという話をしたり、聞き流していただけで前からヒナちゃんは話してくれていた。

 

結局いくら貢いだところで三大欲求を全て制限された暮らしを送っている推しのことをどうすることもできない。

 

時間がなくて食事も取れない、睡眠も取れない、恋愛も制限される。

 

別にそんな生活を強いてるわけじゃない、大野くんのように自由を望み、獲得することもできる。

だからこそオタクには何もできない。

週6のレギュラーや毎年の舞台・ドームツアーはオタクには優しいが、彼の生活を、命を、人生を削っていく。

 

オタクって他人の人生を喰らって生きているんだ、と思った。

今やヒナちゃんのいない生活など私には考えられない。知れることならヒナちゃんの全部を知りたいし、プライベートで誰も遊んだのか、何を食べたのか、どこに行ったのか、何時に起きたのか、気にならないと言えば真っ赤な嘘だ。

ヒナちゃんのプライベートを食べている。

停電の続く中、安らぎの時間をくれたのは買い貯めたヒナちゃんの雑誌だったし、辛いときはヒナちゃんの出演している番組やコンサートDVDを見返す。コンサートに行くためにお金を稼ぎ、番組を見るために食事を早く終わらせ、お風呂を済ませる。

 

気がつけば、私にとっての生きる目的になってしまった。

 

多分宗教ってそういうことなんだと思う。アイドルという言葉自体英語での意味は「偶像」だ。

でも結局、生きてる人間は神にはなれない。

多神教である日本において実在の人物を祀った神社は各地にあるが、死者は永遠だ。

生きてる人間のように病気になったり気が変わったりしないし、何より失われない。

 

そして、本音を言えば無理してでも1人舞台をどんな形でもいいから続けて欲しかった。

結局どこまでいってもアイドルとファンは他人なのだ。

不眠と空腹のツラさは想像できても実感はできない。だからいくらでも無理を言える。

ギターを持つだけで体が痛むという経験など私にはない。

それでも明るく笑顔で振る舞った安田さん、そしてヒナちゃんは多分ファンが自分が辛い目にあっている姿を想像しないことを望んでいたんだと思う。

 メイキングで初めて知ったことも多かった。それは彼らの意思だと思う。

 

「終わってから死にそうな時ある」「『疲れとれへんわぁ〜』言うてるやん」

笑いながら冗談めかしてそう話していたのが、そのまま文字通りの意味で「終わってから死にそうになる」し「疲れがとれない」ということだったと遅ればせながら気づいてしまった。

 

それでも、彼らがそういう生活を望んでやっているということだと思って、無用な心配はしないようにしようと思っていた。

 

「もはや戻れないと思っている。自由な生活は今更できない。」

 

だからこそ丸山さんのこの言葉が重かった。

考えてみれば確かに、日本で彼らが今更一般人と変わらない自由な生活を送れるかといえばほぼ100%無理だと思う。

さすがに引退して20年も経てば見た目も変わり、ほとんど誰にも気付かれなくなるかもしれないが、その時には60目前、体の自由が徐々に失われていってるであろうことは容易に想像がつく。

彼ら自身が自らその道を選んだのだと思っていたが、そもそも他の選択肢なんて、自由に生きるという選択肢なんてなかったのかもしれない。

 

それでも自由を掴みとろうとする大野くんはすごいと思うし、その選択肢を全うしようとする今の関ジャニ∞の6人もすごいと思う。

 

大野くんが自由な生活がしたいと言った時、大野くんのファンの多くが「自由になって」と背中を押していたのが印象的だった。

その瞬間は自分の目の前から消えようとする推しの背中を押せるのは理解できないと思ったのだが、今こうして立ち止まってヒナちゃんのことを考えてみると、もしヒナちゃんが「自由な生活がしたい」と言い出したら未練はあるもののそこに怒りは無いと思う。ものすごくショックは受けるけど。

 

私は今のところヒナちゃんの人生を喰らって生きている。

そしてヒナちゃんもその選択肢を今は選んでいる。

だから思う存分、しっかり対価を払ってヒナちゃんの人生を美味しくいただこうと思う。

 

でももしヒナちゃんがもう自分の人生を誰かにあげたくないと言い出した時は、その選択を尊重したい。