そーゆーとこツボなのさ

終日もう君に夢中

マシーン日記 感想&考察

私のあやふやなあらすじ覚書を読みたい方はこちらから

 

※感想や考察は全て私個人が感じたことを好き勝手に綴っているものです。

※これを読んで納得いかない部分があれば、自分のブログやツイッターでお書きください。

※こういう考えの人もいるんだなと、適当に面白がって読んでいただければ幸いです。

 

目次

1)ミチオに萌えた話
2)横山さんがカッコよかった話
3)キャラクター考察
4)その他考察
5)まとめ

 

1)ミチオに萌えた話

eighterやってきて今までで一番横山さんにハマっている気がします。それくらいマシーン日記の横山さん、かっこよかったです。でもキャラ的にはどちらかというと「ダメ」で「ろくでもない」んですよね。そんなミチオですが、というよりそんなミチオだからこそ?時々萌えるポイントがあります。まずはそれを長々と語っていきたいと思います。

 

私的ミチオの萌えポイント

・コーンフレークを頭からかぶってコーラ(炭酸水)を顔面にぶちまけるところ

なんか分かんないけど、私はここのミチオの顔が異常に好きです。コーンフレークを撒き散らした時点で、口元にめちゃくちゃコーンフレークついてるんですよ。そこに勢いよくシェイクされた炭酸水がすごい勢いで放たれる。

多分私は綺麗な顔が汚されるフェチなので、そのせいだと思います。クロニクルFでカレーうどんのルーで顔がベトベトになるマルヒナも好きでした。ここの良さに気づいてからは、ずっとこのシーンは双眼鏡構えてました。

・「おはよー!」

防護用ゴーグルを外して、バカみたいな大声で至近距離のアキトシに陽気に「おはよー!」と告げるミチオに、最初見たときは結構衝撃を受けました。実はミチオがマトモにセリフを言うのって、この「おはよー!」が初めてなんですよね。どうしても強姦して監禁されているという前情報から、もっと暗くてヤバイキャラを想像してたのですが、ミチオこんなキャラなの⁉︎という衝撃とギャップでハマりました。

・ミキサーの修理

修理中のミチオの手つきってものすごく真剣で繊細なんですよね。でもミキサーの蓋が固いのか、毎回ミキサーの蓋の開け閉めだけめっちゃ力入れているのがなんか萌えました。

・盗聴するミチオ

盗聴シーンは何度かありますが、多分最初の2回は他人のセックスを盗聴してるんだと思います。そこのミチオは子供のように手を咥えて完全にイっちゃってるキチガイって感じの雰囲気があるんですけど、どこかセクシーでもありました。ミチオって基本的には4人の中で1番マトモそうなんですけど、性が絡んでくると、急に狂気的な表情をのぞかせるんですよね。

・モノマネ

ミチオのモノマネのクオリティ、地味に高いんですよ。しかも公演日数が重なるごとにどんどん上手くなっていく。特に欽ちゃんのモノマネのところが、文字通り命がけでふざけている時の表情が笑っているのに怯えていて、追い詰められていて、めちゃくちゃ好きでした。

・ケータイの修理を終えた後のニヤリ

結構この表情重要だと思うんですけど、サチコとケイコの会話が行われている中、ミチオに照明が当たっていない状態でケータイの修理を終えて(=盗聴器を仕込み終わって)ニヤリと笑うんです。だからミチオだけを双眼鏡で観察していないと気づけない表情。それに気づいた時にものすごくゾッとしました。

・手首の掴み方

最初にケイコとセックスする時にケイコの右手首を後ろから右手で持って、椅子に左手をついたケイコを後ろから犯すシーンがあります。ミチオのセックスは基本超本能的ゆえにむしろ機械的で、特にケイコとのセックスは無機質さを感じさせるのですが、その時の手首の掴み方だけが荒々しくも力の入れ方が優しくて、すっげえ生々しかったです。

・ケイコと初めてのセックス後

当たり前ですが舞台だから別に本当にセックスしているわけじゃないし、上半身裸にはなっているものの、しっかりつなぎも着たままなんですよ。でもこの時のミチオの妙な色気と濡れ感と余裕そうな感じは、完全に「事後」の雰囲気を漂わせている。特に座り込んでケイコにもらった二千円を満足そうに拾い上げて見つめている様子が背徳的でした。

その後、壊れていたケイコの電話がちゃんと鳴り始めて、ミチオは指を鳴らして「出なよ」とケイコに促すんです。その「出なよ」の言い方がキザで甘ったるくて、めちゃくちゃセクシーでした。自分の修理の腕への自信と、ケイコの会話を盗聴できることへの楽しみが混ざったような余裕のある笑顔がめっちゃよかったです。

・タンクトップの着方

ケイコと出会ったその日のうちにセックスした後、ケイコの日記が流れている最中、ミチオは脱いでいたタンクトップを着るのですが、薄暗い中で気だるそうに首を通す感じがシルエット含めてめちゃくちゃかっこよかったです。

・アキトシへの怯え

日曜日の朝、アキトシがますますハイになり、サチコからクスリを盛っていたことがバレたと聞いた後、ミチオのアキトシへの表情が一気に変わります。ミチオって最初は結構アキトシに対して少なくとも口では反抗的だし、めちゃくちゃガン飛ばしたりもします。特に一番最初の朝のプレハブ小屋でのシーンでは、状況こそ狂ってはいるものの、ミチオとアキトシは普通の兄弟のようにも見えます。しかし、ここからのシーンでは、ミチオが完全にアキトシを怒らせないようにビクビクしているところが目立つんですよね。かといってアキトシの全部を肯定するわけではなく、思わず「6人もいねえよ!」とか「ダメだって言ってんだろこのキチガイが!」と言ってしまうあたりに、ミチオの狂気と理性の狭間を感じられました。ミチオがまるで「死ぬか笑わせるか選べ」と極限の選択を常に迫られているような表情や言動をしているところは、外から見ると滑稽でありながら、ものすごく真に迫っていました。

・ケイコへの電話

アキトシが鳥人間コンテストに出場した話をしている時に、ケイコにマツザワから電話がかかってきます。その1個前の場面で電話が鳴ったときは、あんなにクールに「出なよ」なんて言ってたのに、このシーンの電話に対してはミチオは完全に怯えているんですよね。でもミチオは怯えながら笑うんです。それがすごく好きでした。

・「出ろ小僧」

トイレの蓋を必死に取られまいとしている時のミチオの腕の筋肉すごい(以上)。

・「音楽聞かない?」「笑っちゃいけない」「さっさと癒されろよ、順番なんだよ、癒されたい奴があとつっかえってっからよ!」「眠れないから」

ミチオが盗聴していることをケイコから根掘り葉掘り聞かれるシーンですが、とにかくミチオの情緒不安定さがすごい。最初の「音楽聞かない?」は怒っている親をなだめるために甘える子供のような声でヘラヘラしてて、次の「笑っちゃいけない」もどこか親に決められたルールを守る子供のような雰囲気があるんですよ。しかしその後の「さっさと癒されろよ、順番なんだよ、癒されたい奴があとつっかえってっからよ!」で、急に怒鳴り始める。そして地図を広げて楽しい発表会のようにゴシップネタを嬉々として語り始めたかと思えば、ケイコに「聞いてんだ」と言われて、弱々しく「眠れないから」と返す。

ミチオの弱さ、幼さ、狂気、暴力性といった要素がふんだんに出ている、まさに1幕の締めくくりにふさわしいドラマチックなシーンでした。

・1号機との再現

1号機とのセックスを再現して、ミチオは正面から左手でケイコの手首を取り、右手を腰に回し、腰を振るのですが、他の音楽に乗せて行われるケイコとの機械的なセックスシーンとは違って、力の入れ方も腰の振り方もめちゃくちゃ生々しくてエロかったです。

・「人のこと言えんのかよ!」「電話盗聴されたくらいで良い気になってんじゃねえよ!」

情緒不安定その2。しかも全開の開き直り。これは1号機をバカにしたケイコへの発言ですね。アキトシに紛れがちですけど、ミチオも笑いと暴力の境目がめちゃくちゃ。ミチオは結局3人の女と関係を持っていて、嫉妬なのかなんなのか他の女が別の女を悪く言うシーンが結構あるんですよ。その時に毎回ミチオは庇うような言動を取ることが多いんです。優しくないようで優しくて優しくない。そういうタイプの人間って一番ハマったらダメなんですけど、でもやっぱりものすごく魅力的なんですよね。

・「もっとリアルなの、聞きたいでしょ?」

盗聴のことが絡んだ時のミチオの爛々とした目、どこか幼い喋りは狂気的で色気もある、ってさっきも言いましたっけ?

・床ドン

自分の女のことを悪く言われてキレるミチオPart.2。正常位でセックス中のケイコが悪びれもせずにサチコの悪口を言うのに対して、床ドンからの「あんたサチコの恩師だろ?」。でも多分サチコだから特別ってわけじゃない。だって直前で「はっ、カニじゃん」と言われた時もキレてるから。そのある意味理不尽なほどに平等に優しいのがミチオハーレムの真髄。

・「もっといろよ」

頭に包帯を巻いたサチコがプレハブから出て行こうとするタイミングでの、爆イケ「もっといろよ」。これが少女漫画なら純粋な胸キュンシーンなんですが、サチコにケイコとセックスしているところを見られて隣にケイコが居ながら上半身裸で悪びれもせずに爆イケ「もっといろよ」は意味わからないですよね。「何言ってんだテメェ」と言いたくなる自分と、普通に「キャー!かっこいい!」ってなっている自分で、混乱させられます。

・「これだからなぁ」

スーツのズボンも履きなさいよと言われたミチオが、足枷を見せて諦めたように笑いながら「これだからなぁ」と言うシーン。言葉とは裏腹に悲壮感が全然なくて、そりゃサチコに「また自慢!」って言われるわっていう絶妙な笑顔。ミチオの笑顔は毎回ゾッとする。

・1幕最後のセックスシーン

1幕最後のミチオとケイコの音楽に合わせたダンスのようなセックスシーン、無機質さと色気がちょうどよく混ざり合ってとても芸術的でした。まさにセックスマシーンです。

まずはケイコが布団を片付け、ミチオが盗聴器を床下に仕舞います。

そのあと正面座席側に背を向けてメガネを外し、ネクタイを外し、ジャケットを脱ぐのがすごい色気でした。

15日の公演ではチェーンに布団が絡んでいた影響で本来正常位をするはずの位置にミチオの鎖が集まってしまっていて、ケイコが寝転べるように急いで鎖を持ち上げて投げるミチオ(ていうかそれは横山さん)がカッコよかったです。

そしてミチオの手を借りて起き上がったケイコの足の間をミチオが背中で滑ってスッとくぐって、騎乗位に移ります。

その時音楽に合わせて手でリズムを取るのですが、次の体位に移るために立ち上がるケイコに合わせて上体を起こしながら手で軽くリズムを取り続ける姿が好きでした。

椅子に座るところで、ミチオが後ろに手を置いてだらんと天井を見る時の顔がめちゃくちゃセクシーでした。

スムーズに次の体位に移るためにミチオとケイコが社交ダンスのように手を借り合うのですが、まるでチーム競技のようでした。

どのタイミングでかは忘れましたが、ミチオとケイコがファイティングポーズのように向かい合ってから手を取って次の体位に移る部分の横山さんの上半身がすごくしなやかでほれぼれしました。

最後にミチオが足を伸ばして床に座り、足の間に立ったケイコの下腹部あたりを手で囲って着床を象徴するようなポーズを取る部分があるのですが、正面からはミチオの顔は見えなくて、バルコニー席からだと少しだけ見えたのですが、セックスシーンで顔を歪めている時とは違って結構真剣な表情をしていたのがまたよかったです。

・月を見るミチオ

プレハブには窓がありますが、ミチオは基本窓の外に興味を示しませんし、カーテンも閉めきっています。そんなミチオが唯一窓の外の景色を眺めるのが、ケイコが「月が綺麗」と言った時。隣に並んでぼーっと空を見上げるのですが、ケイコはすぐに去ってしまいます。その時のミチオの背中が物悲しくて、でもきっとミチオはケイコの言う月の綺麗さは理解できなかったんだろうなと想像しています。ミチオが笑うことなしに弱さを見せる唯一の場面でもある気がします。

・「わかってる」

アキトシを金槌で殴り殺してしまいテンパるサチコが「あんたが危ないと思って!」と言うのに対して、ものすごく包容力全開で「わかってる」って言うミチオを見て、まぁモテるよなって思いました。

・先生に相談するミチオ

相変わらずデリカシーがない。サチコは「ミチオが先生に相談しようと言うので、私は結構ショックだった」のに。殺人という重大事件を隠蔽するのに、2人だけの秘密にしようとか全然思ってない。だから盗聴器の秘密も結局ケイコに喋っちゃう。自分の周りの女同士が嫉妬するかもしれないとかいう発想はミチオにはない。ミチオの死因はアキトシに殺されるか、女に刺されるかのどっちかだと思う。そこが魅力。

・ミチオのスイッチ

性とゴシップが絡むとイっちゃってる感じになるミチオですが、特にこのサチコが笑い転げている時に下着が見えたところで、表情が見えなくても、スイッチが入ったと分かる演技がすごかったです。

・駅弁

「先生にしてないこともしてぇ〜」と飛びついてくるサチコを軽々キャッチしてセックスするミチオ、なんか普通にすごい。いくらサチコが小柄で痩せてるからって、身長157cmってことは少なくとも40kgはあるだろうに、飛び込んでくる40kg以上の人間をキャッチして持ち直すことなく駅弁に移れるミチオ(てか横山さん)、すごい。

・「俺を取り合って女が戦ってる!夢のようだ!」

基本的に性とゴシップが絡まない限りは4人の中で一番マトモなミチオですが、この時のミチオの目の見開き方と口角の上がり方はギラギラしていて、興奮が表情から溢れ出しています。人が争ってるの見たり聞いたりするのが結構好きなのか?

・「俺、社会人なるんかなぁ?」

直前まで笑いながら自嘲しているミチオの発言内容は、どちらかというと「普通の」社会人になりたいように聞こえます。普通の社会人になれない自分を嘆いているように聞こえます。なのに最後にものすごく不安そうな顔で「俺、社会人なるんかなぁ?」っていう言葉が出てくるんです。片足の膝から下を失ったとはいえ、長い監禁生活からようやく解放されると言うのに、将来を想像するミチオの姿はとても悲壮感が漂っていて、不安に満ち溢れているんですよね。その言い方と表情がものすごく好きでした。

・「キチガイが!」

ケイコが火をつけたことが分かると、さっきの不安そうな顔から打って変わって、また目が爛々とし始めるんですよね。サチコの死を悲しんで微動だにしないアキトシとは対照的に大声で笑いながら「キチガイ!」と言い続けるミチオ。このシーンのミチオの顔は、いつも双眼鏡でじっくりと見ていました。

 

2)横山さんがカッコよかった話

ここまででおよそ6000字あるみたいです。ここから2個目って正気か?って自分でも思いますけど、満足するまで書いていきたいと思います。

やっぱり生の現場の良いところは、どうしても隙間が見えるところだと思います。

ドラマだとカットがかかった後とか、待機中とか、NGシーンは絶対に放送されないですし、配信のライブでも暗転してVTRが始まった時に階段を降りていく推しの背中とかが見れなくなるんですよね。

マシーン日記は私にとっては十五祭ぶりの現場でしたが、横山さんがミチオを演じる中で、時々アイドルとしての「横山裕」の姿が垣間見れることにめちゃくちゃ興奮しました。

 

・表情の演技

正直、声の出し方に関しては秋山菜津子さんが圧倒的な存在感でした。そんな中で、横山さんの演技に関しては表情の演技がめちゃくちゃ好き。

ミチオってよく笑うんですよ。面白いときも笑うけど、興奮して笑う、悲しみながら笑う、ごまかしながら笑う、絶望して笑う、狂ったように笑うといったパターンの方が多いです。この時の横山さんの子供のような笑い方から、目を爛々とさせる狂気的な笑い方といった表情のバリエーションが見応えありました。

・強姦シーンからの最初の暗転

暗転の中で横山さんはつなぎを履いて腰で袖を縛り、タンクトップを着て靴下を履き、スニーカーを踵を踏んだまま足を突っ込んで、しゃがみこんで右足にマジックテープ式の足枷をつけてから靴の踵を直し、ゴーグルをつけて毛布を一度広げてから被って、仰向けに寝転んだら、3回後ろの髪を直します。

どうやらこれがルーティンらしく、毎回動きがほぼ一緒でした。レンジャーかなんかにも横山さん自身であまり習慣を崩せない人間だと言っていましたが、そういう部分が垣間見れて、横山さんを少し覗き込めたような気がしました。

・ミキサー修理中

直前でコーンフレークをぶちまけているので、コーンフレークがつなぎの結び目に入ってしまうらしく、めちゃくちゃ丁寧にそれを集める姿がツボでした。ちなみにドライバーやゴーグル、はんだごてなどが入った工具入れに、銀色の魔法瓶の水筒とタオルも入っています。取ったコーンフレークを床に捨ててしまうと後で踏んで粉々になってしまうので、左手を受け皿にして右手でフレークを1つずつ割れないように集め、工具入れの中に入れておく姿が好きでした。

あとは足枷のマジックテープを暗転の中で結構急いて装着しているからか、毎回少しズレてしまっているらしく、音がしないようにそっと外して、ぴったりと合わせている姿もめちゃくちゃ横山さんでした。

・ジャケットを脱ぐ

ミチオがケイコに自分が浮いていたことを打ち明けた後、セックスシーンに入っていくわけですが、その時舞台正面に背を向けてメガネを外し、ネクタイを外し、ジャケットを脱ぐんです。舞台だから次着る時に困らないようにっていう理由もあると思いますが、横山さんってめちゃくちゃ丁寧に服を脱ぐんですよね。それがすごくセクシーでした。

・1幕捌け

1幕が終わるとケイコは下手の普通の出口から出ていくのですが、ミチオは繋がれているので、盗聴器を隠している床の隠し扉の中に捌けていきます。その時腕を体で支えているのがカッコよかったです。

・Smooth criminal

やっぱり何よりダンスですね!結局私はアイドルオタクなんだなと実感しました。マイケルジャクソンを踊り出す時の興奮たるや。もちろん双眼鏡で横山さんだけを追いかけるのも楽しいのですが、4人が踊っているのをパッと見た時に、やっぱり横山さんが一番踊りなれてるなっていうのがわかるんですよ。そこがアイドルとしての横山裕の成分を感じられて、ものすごく萌えました。特にソロダンスの興奮はすごかったです。コンサート行きてえ!

・カテコ

言わずもがなのカーテンコール。私がオタクになってから舞台を観に行った回数はギリギリ両手足の指の数に収まるくらいなのですが(結構観に行ってるじゃねえか)、個人的に横山さんのカーテンコールが一番好きです。横山さんのお手振りってなんなんでしょう、普段はアイドルに手を振り返すことに謎の気恥ずかしさを感じる私ですが、横山さんの手からはそれを打ち消す何かが出ている気がします。初めてマシーン日記を観た時に、カーテンコールで思わず拍手を止めて手を振り返してしまって、謎のホクホク感を得てしまいました。

ちなみに初めてマシーン日記に行った京都初日の次の週の木曜日、ヒルナンデスで横山さんがCM明けか何かでカメラに向かって小さく手を振っていて、思わず「はぁ〜!」と言いながら手を振ってしまいました。ヤバイ。

 

3)キャラクター考察

ようやく考察に移れます。この時点でほぼ丸3日間ブログを書き続けている状態です。それでもこの記憶が出来る限り薄れないうちに文章に残しておきたいのですが、考察まで来れば一安心みたいなところがあります。

 

・アキトシ

どの順番で書こうか迷ったのですが、とりあえずアキトシから始めてみたいと思います。

アキトシは最初は深緑(に見えた)の外套で登場し、他の場面ではカーキ色のつなぎを着ています。187cm・72kgと、比較的身長の高いミチオと比べてもかなりの大男で、威圧感を感じさせます。右手には常に黒いグローブをはめていて、兄指と呼ばれる6本目の指があります。

①支配者としての存在

まずアキトシは、この舞台の中で強烈な支配者なんですよね。

肩書きとしてはミチオの「兄」というイメージが強いですが、アキトシの振る舞いはどこか「家長」や「父親」を想像させます。

多分それは守ってあげてる感、可愛がってあげてる感が、理不尽な支配と共存しているからかなぁと思います。かつては「女性を守る」という大義名分のもとで女性の様々な自由や権利が迫害されてきて、今もそういう部分は残っているように、アキトシは「守ってあげる」「可愛がってあげる」という行為の残酷さをまざまざと見せつけてくれます。

特にサチコをアキトシが撫でる様子は、サチコの怯え方も相まって、普通に殴ったり蹴ったりするシーンよりも一層アキトシの恐ろしさを強調します。

「家族」や「一家」という言葉はアキトシの口から何度も出てきますが、アキトシとミチオの両親の存在感はとてつもなく薄いです。ジャングル風呂も欽ちゃんの仮装大賞も鳥人間コンテストも、家族で行きそうな場所、家族で見そうな番組ですが、アキトシにとっての家族はミチオとサチコとケイコと自分の4人なんですよね。アキトシは傷害事件を起こして怒り狂った父親に監禁されていたとミチオが語っていますが、息子が事件を起こしたとはいえ、プレハブに鎖で繋いで監禁しておくのって異常だと思うんです。ていうか普通に刑事事件です。そこから彼らの父親の姿を想像すると、アキトシのような家族に対して支配的で暴力的な人物だったのではないでしょうか?

だからアキトシもミチオも、日常の延長線上で暴力を振るう。アキトシはミチオを強姦の罰として監禁するし、ミチオはそれを受け入れる。そもそもツジヨシ家は「父親」という圧倒的に支配的な存在によって、暴力が日常的に溶け込んでいて、倫理的なものが壊れていたのかなと感じます。そしてきっと2人とも父親のことは怖いと思っていたけど、嫌いではなく、そもそも父親のやっていることが悪いとも思っていなかったのかもしれません。

その結果、父親の死後、アキトシ父親の担っていた「支配者」の役割を当たり前のように引き継いだのかなと思います。なのにサチコはセックスを拒み、家族の象徴である子供を作ることができない。一方でミチオはケイコを妊娠させる。そのあたりがアキトシをおかしくさせた部分でもあるのだと思います。

 ②「普通」

ところでアキトシって、この舞台の中で孤立しているんですよね。ミチオとケイコ、ミチオとサチコ、ミチオを中心としたハーレムのような秘密を共有し合う関係が存在する中で、アキトシの存在って「敵」っぽいんですよ。特に1番最初の場面では、淡い色の下着で無防備な格好をしているミチオとサチコに対して、長い丈の暗い色のレインコートに身を包んで深々とフードを被ったアキトシのビジュアルは、確実に2人の世界を壊しにくる存在なんですよね。

ちなみにこの舞台の中心にいるミチオですが、確かにアキトシとも最初の方は気心の知れた兄弟のような顔をする場面もありますが、最終的にはアキトシを恐怖の対象として見ています。

アキトシの過去を振り返ると、まず5本の指に加えて6本目の「兄指」を持って生まれてきます。最終学歴は高卒です。そして3年前に鳥人間コンテストに出場し、双極性障害を発症し、傷害事件を起こします。今は亡き父親に怒り狂って1年間プレハブで監禁され、1年前にミチオがサチコを強姦したのを発見し、ミチオをプレハブに監禁し、サチコと結婚します。そして現在はフクシマハルオと名乗る人物の教えを崇拝しています。

アキトシは「高卒」という部分に強いコンプレックスを持っているように見えます。他のキャラクターに比べてケイコに対して何度も「大卒」という言葉を使います。ですが、6本指に関して本人が何か言及することはそれに比べると少ないと思います。そして普通の起こし方や普通の写真撮影を嫌い、「普通」であることを嫌がりますが、同時にフクシマハルオの教えを崇拝し、「普通の家族」というものに強い憧れを持っています。

物語の中で強い存在感を放つフクシマハルオですが、実際のところ本気で崇拝しているのはアキトシだけっぽいんですよね。

この物語のキャラクターは4人ともどこかで社会に弾かれている部分があると思いますが、6本指のアキトシは、ミチオやサチコと違っていじめられたりするのではなく、怖がられて避けられてきたのではないでしょうか。怖がると畏れるは少し似ています。だから、自分が普通でないことにどこか優越感すら抱いています。「大田区のシドヴィシャス」と言われたことを今だに覚えているし、「普通の起こし方」「普通の写真撮影」を嫌う。でもどこかで、誰かと身を寄せ合って暮らすような強くない、怖がられない、「普通」の生活に憧れがある。だからこそその象徴とも言える「家族」を崇拝している。

アキトシにとって「普通」とは、なりたくないものであると同時に、憧れているものでもあるという、複雑な存在なのではないでしょうか。

③弟・ミチオ

あとはカインズ・コンプレックスですよね。パンフレットでもこの説明に2ページが割かれていましたが、要は兄弟間の嫉妬。これがこの物語の1つのキーだと思います

「浮いていた」ものの、五体満足でなんだかんだ色んな女性から愛されるミチオは、アキトシにとってうらやましい存在なんだと思います。しかも先ほども言った通り、ミチオはケイコがきて早々に妊娠させてしまいました。自分はサチコからセックスすら拒まれているのに。だからといってアキトシがミチオのことを嫉妬から憎んでいるかというとそういうわけでもなさそうで、ミチオのことを弟として大事にしている部分があるように見えます。

アキトシは最初のミチオを起こす場面で、「おい起きろ」とまた普通の起こし方をしてしまったことを落ち込みます。「また」なんですよね。アキトシはミチオを前にすると、いつも普通の起こし方をさせられるのです。話している内容はただの起こし方のことですが、ミチオはアキトシを「普通」にさせてくれる存在なんじゃないでしょうか。

ミチオ本人は気づいていなさそうですが、普通の体を持ち、人(特にサチコ)から体を許され、内定を取ることのできるミチオは、アキトシから見るとすぐに自分のことなど捨てて離れてマトモな生活を送ってしまいそうに見える部分もあると思います。だから理由をつけて監禁し、支配し、自分の手元に置いておきたいという気持ちがある。加えて、そんな弟を自分の言いなりにさせることで、自分が弟より上の存在だと確かめたいと思っている。そういう部分があるのかなと感じます。

舞台となるのは「ツジヨシ兄弟電機」ですが、この名前、最初に見た時から「兄弟」ってわざわざつけるの変だなと思ってたんですよ。少なくとも3年前まで父親が生きていたということは、死後になってわざわざアキトシが「兄弟」という名前を足したんじゃないかなと思います。そこにもアキトシのミチオへの依存が現れているんじゃないかなと感じました。

アキトシはサチコに執着しているように見えますが、実際のところアキトシが本当に手放したくないのはミチオなのかもしれません。

④プレハブの中の会話

ところでアキトシは、どこまで知っていたんでしょうか。

ミチオはサチコのことを「2号機」と呼ぶ場面がありますが、この言い方からすると、恐らくミチオとサチコが体を重ねたのはあの1回だけではなかったのではないかと思っています。では、ミチオとサチコはどのタイミングで関係を持っていたのでしょうか。ミチオとサチコが終盤勢いでセックスしてしまった時の「暑い暑い」と誤魔化す感じは、久しぶりのソレだったのかなという印象を受けました。だとすると、ミチオとサチコはアキトシに見つかる前、1年前の夏より前に何度かセックスしてたんじゃないかなと思っています。

ケイコは「プレハブの中の声って意外と筒抜けなのね」と言っています。サチコはアキトシとミチオが言い争いをしている間は朝ごはんを持って行きませんでした。つまり、あの舞台の中でプレハブはミチオを監禁する閉ざされた場所でありながら、同時に舞台上の360度から見ることのできるセンターステージのように公然の場所でもあったのだと思います。

ミチオはアキトシとサチコの会話を盗聴していました。ミチオとサチコはアキトシのことを「6本指野郎」と呼んでいました。2人で薬を盛っていました。他にもアキトシに対しては結構言いたい放題です。

そんな2人の関係や会話を知りながら、バカみたいなフリしてふざけたことを言うアキトシのことを考えると、少し気の毒に感じる部分も出てくるかもしれません。

⑤ハイ

アキトシは最初の朝の場面からミチオに「ここんとこずっとこう(ハイ)だな」と言われています。物語自体はケイコが来たことで展開していく印象がありますが、実際にはその少し前からアキトシはハイだったわけです。ミチオが「3年前も」と言っているあたり、アキトシがハイになるのはわりと久しぶりだったのではないでしょうか。だとすれば、原因はなんでしょう。

おそらく、大卒の人間を雇うということが決まったからではないでしょうか。アキトシは高卒の自分が大卒の人間を雇うことができることに優越感を感じていますが、それと同時に不安もあったのではないかと思います。高卒の弟・ミチオと中卒の妻・サチコの3人の空間ではアキトシの権力は絶対的ですが、大卒の人間が来れば、それが崩れるかもしれません。自分がバカにされるかもしれません。優越感と不安がアキトシをおかしくさせたと考えられます。

また、アキトシ本人はハイになることを「兄指が疼く」と表現します。6本目の指はアキトシが鳥人間コンテストでお蔵入りになった原因だと思われています。つまり、アキトシが社会から排除されていることの象徴なのではないでしょうか。社会と交わることへの不安のようなものを「兄指が疼く」と表現しているのかもしれません。

アキトシは最終的にプレハブに火をつけてミチオを殺しそうになります。つまり、ミチオやサチコに対して裏切られたという感覚があったのではないでしょうか。2人にとっては都合よく、トイレから出てきたアキトシはミチオとサチコに殴られたという記憶がすっかり消えています。ですが、完全に忘れたとは思えません。なぜなら、サチコとミチオがアキトシに薬を盛ったことがバレてからしばらくは普通にミチオに接していたにも関わらず、ミチオに「このキチガイが!」と言われてから突然、「サチコと2人で俺に変な薬盛ってたの知ってるんだぞ」と言い出します。

アキトシはある程度わざと思い出さないようにしているんだと思います。弟のミチオと妻のサチコに裏切られた記憶をできるだけ思い出したくない。でも裏切られた感覚は残っている。だから突然暴力的な行動を取り始め、どこかで我慢できなくなる。そう考えると、サチコとミチオが薬を盛っていたのがバレたのどかな日曜の朝の場面は、3人の関係がおかしくなっていくスタートの場面なんだと思います。

 

・サチコ

サチコのビジュアルで強烈な印象を残すのは、薄い体の背骨が目立つ極度の猫背です。服装はそれを際立てるように最初は白のキャミソール、身体にフィットする青のワンピースにオレンジの作業着、スクール水着などです。髪は肩くらいで常にうねってバサついていて、暗い印象を強調しています。アキトシ187cm、ミチオ175cm、ケイコ165cmに比べると、猫背や骨格のせいもあってかなり小柄で貧相に見えます。

喋り方は怯えるような小さな声か、グフグフと他人をバカにしているかのどちらかが多く、「かわいさ」からは程遠いようなキャラクターです。

①性嫌悪

ミチオに対しては自ら迫る場面もありますが、サチコの「私も途中からアンアン言っちゃってたわけだし」というセリフは、少なくとも最初の方は間違いなく「強姦」だったと言ってしまっているようにも聞こえます。アキトシに対しても、恐らく一度もセックスさせたことがないのでしょう。ケイコにも「あたし、そもそもオマーンに抵抗感あるし」と話しています。ミチオに「兄貴とSMやってる女」と言われた時も、かなりムキになって反論します。なのでサチコがセックスに対してかなり嫌悪感を抱いているのは間違いないと思います。

②バカ女

サチコは全員からバカだと言われています。ミチオはサチコを「バカ中卒」や「バカ女」と何度も呼びますし、アキトシも「中卒」という言葉を使っていました。ケイコも「昔から思ってたけどバカなんだな」と言う場面があります。

でもサチコって、「愚か」ではあるかもしれませんが、「バカ」だとはあまり感じません。むしろ結構頭が回るんじゃないかなと感じる部分もあります。つまり知能的に劣っていると言うよりは、自らを不幸にするような選択を自らすすんで選んでしまうような側面がある気がするんですよね。

サチコは被害者キャラというか、いじめられっ子というか、自分が傷つけられることにあまり抵抗感があるように見えませんが、マツザワやミチオと違うのは、本気出せば避けられるように見えるところなんですよね。だからバカじゃなくて愚かというか、地獄から抜け出す方法を知らないんじゃなくて、知っててやらないように見えます。

だからアキトシにどれだけ暴力を振るわれて怯えていても、本気でやりたくないセックスはやらないし、ケイコに放課後4時間走らされることになれば、いじめを回避してみせることができる。

③ケイコ

中学時代までのサチコにとってのケイコは恩師です。中学卒業後にケイコとマツザワが怪しいと聞いてから嫌いになります。しかし最初にケイコに会った時点でのサチコは、この卒業後の記憶は完全に忘れて待っています。サチコがケイコに対して攻撃的になるのは、ミチオとケイコが雨の夜に関係を持った次の場面なので、まるで嫉妬から攻撃的になっているようにも見えますが、もう1つ要因があるようです。サチコは中学時代のスクール水着でビニールプールに入っています。パンフレットにそれがサチコが中学の時の思い出を鮮明に思い返すきっかけになったと書いていて、ものすごく納得しました。

④ミチオ

サチコは「あたし、あなたのことが憎い。でもあなたと先生とあのキチガイの中だったら、順番的に一番憎くない」「コイツ私のこと好きなくせに」とミチオに言います。

キャラクターが他人の心情を推察して述べるときは、自分の心情について語っているという法則を聞いたことがありますが、恐らくサチコはミチオのことが好きなんですよね。

でもそれは純粋な愛っぽくはない気がします。まぁ「純粋な愛」ってなんやねんって話になると長くなるのでやめておきますが、サチコって自分と同じ境遇の男を好きになる癖があるんですよね。マツザワもそうですが、サチコは自分と同じくらい下に見られている人間を好きになることで、この男と釣り合いが取れていると言う安心感を得ているのではないでしょうか。

だからケイコがマツザワと怪しいと聞いた時の反応も「おめえがマツザワじゃマズいだろ」なんですよ。ケイコを持ち上げる発言、マツザワを貶す発言をわざとします。で、「あたしはいいよ?マツザワで」になる。最初サチコはケイコに対してミチオのことを「ろくでもない」「ブーブー弟」「ヌートリアのような緩慢な動き」と趣向を凝らしてボロクソに説明します。アキトシに殺されるかもしれないことをわかっていながら、ミチオを珍しいペットでも自慢するかのようにケイコに会わせます。サチコはアキトシのことはよくバカにしていますが、ミチオのことを悪く言っているのはそのシーンだけなんですよね。

無意識にか意識的にかはわからないですが、サチコは自分の好きな男をこき下ろすことで、誰かに取られることを防ごうとしているのではないでしょうか。

⑤「でも私もハイなんです」

アキトシがハイ(躁状態)であることは何度もサチコとミチオに揶揄されますが、サチコは初めてケイコとあった時点で「でも私もハイなんです!」と語っています。ということは、この物語の中で、この場面以降、サチコは常にハイだったんではないでしょうか。

⑥悲劇のヒロイン願望

サチコはロマンチックでドラマチックなものをバカにしながらも、主人公になりたい願望を見せます。ミチオの足に斧を振り下ろし、プレハブの真ん中に立って言い放った言葉は「私主役じゃん!」でした。サチコが歌う歌の歌詞は、舞台全体の雰囲気とは掛け離れて、希望や明るさに満ち溢れています。虹の向こうの素敵な世界を夢見る姿や、そよ風に思い人の声を重ね「夢は両手いっぱい」と歌う健気な姿は、まさに王道ヒロインです。

しかし実際のサチコは主役とは程遠い人間です。クラスの中心的な人物になれないどころか、いじめられてクラスの輪からはぶられています。勇気も情熱も正義も人徳もないし、根暗で猫背で歌も下手です。自分が主役になれないとわかっているから、あえて「劇なんて、バカバカしいですもん」と思い込むことで、惨めな気持ちになることを回避している。

サチコは主役に憧れますが、ヒロインってヒーローと違って、いつも悲劇性が絡んでくる気がします。可哀想だけど健気に頑張る女の子、みたいな。サチコもそれに憧れているのではないでしょうか。だからいつのまにかヒロインの悲劇性の部分だけを拾い上げて、自分を過酷な環境に追い込んでしまう。

そしてサチコはケイコのことを、自分のことを不幸にしにきたと思っています。ある意味、自分を不幸にする敵の存在は、ヒロインになりたいサチコにとって、必要なものだったのかもしれません。自分のことを不幸にするアキトシとケイコから逃げて、一緒に虐げられているミチオと2人で虹を超えようと頑張るのは、サチコにとって理想的な展開だとも考えられます。

そう考えると、ミチオが「これだからな」と鎖を見せるところで「また自慢!」と怒ったのも理解できる気がします。サチコがヒロインになるとしたら、必然的にヒーローはミチオであって欲しいはずですが、むしろミチオの方が悲劇のヒロインっぽいんですよね。鎖に繋がれて可哀想だけど、なんだかんだ3人から存在を求められる。

 

 

 

・ケイコ

ケイコも男性陣に比べれば身長は低いですが、その圧倒的な存在感と姿勢と骨格は強さを感じさせます。サイドを刈り上げ、右腕には刺青、基本的には紫の作業着を着ていることが多く、個性的で中性的な印象です。

喋り方は低くハキハキとしていて、力強さを感じさせますが、語尾は女性的なことが多いです。

①物語の鍵

この物語の中でキーとなるキャラクターは確実にケイコでしょう。歪ながらも均衡を保っていたツジヨシ家は、ケイコの登場によって狂っていきます。

学歴もそうです。電気しかいじったことのない高卒のアキトシ、ミチオ、そして中卒の女工・サチコに対し、大卒で教職の経験があるケイコは間違いなくエリートです。s

そしてケイコは圧倒的な力を持っています。手からなんか出ます。ミチオとサチコは常にアキトシに怯えて、機嫌を取って生きてきました。2人ともハイなアキトシの理不尽な発言に合わせて暮らしている。だから観客として側から見ているとメチャクチャで面白い。しかし、ケイコは身体的なパワーでもアキトシに圧倒的に優っています。

しかもただアキトシを上回る存在が出てくるというだけでなく、そんな最強の人物がミチオのマシーンになってしまうのです。

恐らくサチコだけでなく1号機も、体格や性別を鑑みると、アキトシに物理的に勝つことはできなかったのでしょう。であれば、たとえミチオが1号機や2号機といったマシーンを手に入れても、アキトシはマシーンを含めて支配すればいいだけなので、均衡が崩れることはなかったと思われます。

しかし3号機の場合は、ミチオがアキトシに勝つことができる可能性を生み出してしまいました。そこがツジヨシ家を狂わせていく1つの要因なんだと思います。

②曖昧さ

ケイコは曖昧さを嫌い、はっきりしたものを求めます。

だからこそ、善悪がメチャクチャになった状態でバランスを保っていたツジヨシ家の均衡を失わせていく原因になった部分もあると思います。

しかし他人にハッキリとしたものを求めるわりに、ケイコ自身についての説明は分かりにくく、この物語の中でもっとも何を考えているかよくわからないキャラの1人だと思います。

ケイコが工場に来た理由も、結局よく分かりません。サチコは「私を不幸にして帳尻合わせにきた」と思っていますが、それはサチコの思い込みなんじゃないかと私は思っています。ただサチコがそう思った原因も、ケイコの「恩売るわよ」の説明がわかりにくいからじゃないかと。

だからといって、ケイコがずっと本当のことを言ってなくて、発言は信用できないわけではないとは思っていません。むしろケイコは恐らくかなりちゃんと説明しているのではないでしょうか。ただその説明の仕方が複雑でわかりにくいだけで。

ケイコの根底にあるのは、価値のないものを見てみたいなんじゃないかなと思っています。

「時給制」だけでツジヨシ兄弟電機に来たというのは理由として弱い気がしますが、機械好きのケイコが数ある時給制の仕事の中で工場を選ぶと言うのは考えにくい選択肢ではありません。また、ミチオが月給3万円であること、昼休みが20分で遅れると時給に響くこと、冷房がないこと、といった情報を鑑みても、恐らく工場の中でもトップクラスに労働環境の悪い職場なのではないでしょうか。そう考えると、ケイコが最底辺を選び取った結果がこの工場だったというのは考えられる気がします。

ハッキリしたものを求めているケイコですが、ケイコの身体は曖昧です。女性であるにも関わらず、未発達の男性器があり、オリンピック出場まで行ったにも関わらず、セックスチェックで弾かれました。それはケイコが社会から弾かれたということでもあると思います。

だからこそ自分にはないハッキリしたものを求めているのかもしれません。

③ミチオとマツザワ

ケイコとサチコの男の趣味は不幸なことに二度も被ってしまいます。マツザワは声のみの登場ですが、聞いている限りミチオとそっくりだと思います。いじめられていたところ、サチコと違っていじめから抜け出せなかったところ、ケイコにクズと言わしめたところ、そしてサチコとケイコから好意を寄せられるところ。ケイコとサチコ、2人とも有り体に言えば「ダメ男好き」だと思いますが、相変わらずケイコの説明はこの点についても分かりにくいです。

ケイコはミチオについて「あんたの価値の無さはわかりやすい」と言い、まるでそれがミチオに服従を誓った理由かのように語られますが、ケイコはアキトシには興味を示しません。客観的にみて、ミチオよりアキトシの方を最低だと想う人の方が多いのではないでしょうか。ケイコはサチコがミチオのことを「ろくでもない」と言ったときに、強く興味を持ち始めます。

ではミチオとマツザワにあって、アキトシに無かったものは何かと考えると、弱さなのではないでしょうか。パンフレットで大根さんは「ケイコに母性のようなものを感じた」と述べていますが、アキトシは支配する側、いじめる側の人間です。ミチオとマツザワはされる側の人間です。ケイコにとっては、そういう部分が放って置けなくなるダメ男、みたいな重要な要素の1つだったのかもしれません。

④化け物

「先生はあんたなんか一飲みよ」や、「5秒で首を折るわよ」といったサチコの発言に対して、ケイコは「私のことなんだと思ってんの」と言います。また、サチコはケイコのいないところでケイコのことを「化け物」と言っています。

怪力で未発達の男性器を持つケイコは、恐らく昔から化け物扱いされてきたのではないでしょうか。先ほども書きましたが、この舞台に出てくる4人は、それぞれどこかで社会から疎外感を覚えている部分があるように見えます。サチコとミチオは同類でした。ケイコはどちらかというと、アキトシに近い部分があるのではないでしょうか。6本指や男性器といったもののせいで、恐れられ、化け物のように扱われる。だからこそ、自分を受け入れるしかないであろう、拒絶する方法を知らないであろう、ミチオやマツザワといった圧倒的に弱く価値のない人間を好きになるのかもしれません。

 

・ミチオ

薄いグレーのつなぎで、中に白いタンクトップを着たミチオは、右足に足枷が繋がれています。プレハブの中心からミチオを繋ぐ鎖は、ミチオがギリギリ外に出れるくらいの長さです。金髪の長めの髪は常にグシャグシャで、身体も薄汚れていて、風呂をどうしているのかは分かりませんが、少なくとも毎日入っているわけではなさそうです。

①ミチオとサチコ

ミチオとサチコの構図で印象的なのは、2人がお互いの顔を覗き込んで笑うシーンです。この絵は舞台の中で3回出てきます。1回目は強姦した後のことで、ミチオが体をかがめてサチコの顔を覗き込み舌を突き出すと、サチコは笑います。2回目はまるで1回目の再現かのように、アキトシがいなくなったプレハブでミチオがサチコに四つん這いで近づき、舌を突き出します。この時もサチコは笑っています。最後は死んだと思われているアキトシをトイレに隠した後のシーンで、2人はお互いにすがりつくように手を絡めながらアキトシのおかしさを笑います。

この姿は弱いもの同士が傷を舐め合っているようにも見えますし、子供がふざけあっているようにも見えますし、共犯関係にも見えます。

ミチオとサチコが笑いあっているというのは、アキトシにはバレてはいけないことなのでしょう。アキトシに隠れて薬を飲ませ、馬鹿にする2人は、そうやって笑いながらギリギリ自分を保って生きているように見えます。

②ミチオとケイコ

ミチオはケイコに対して「盗聴されたくらいで調子に乗んなよ」と言いますし、常に「オバハン」や「3号機」と呼んでいて、人間として愛している様子は見られませんが、かといって大事にしていないと言うわけでもないのかなと思います。

特にそれを感じるのは、ケイコにマツザワから電話がかかってくる場面です。一番最初に携帯の修理が終わって着信音が鳴り出した時、ミチオは得意げに「出なよ」と言います。しかしその後の場面でケイコの電話がなると、ミチオは電話に怯えたようにケイコからケータイを奪ってコーンフレークの箱に入れてしまい、話を無理やり続けます。

この2つの場面の間で、ミチオの着信音へのリアクションが大きく異なるのです。つまり、ミチオはその場面の間のどこかでケイコの電話を鳴らしているのが夫だということを盗聴するなどして知ってしまったのでしょう。

夫から電話がかかってきて怯えるミチオは、一体何に怯えているのか。それはケイコが夫の元に帰ってしまうことなんじゃないかと思います。ミチオはケイコがサチコや1号機のことを悪く言うと怒ります。サチコがミチオに、自分のことを不幸にするためにケイコはミチオのことを利用していると主張すると、ミチオは怒ります。そして夫からの着信に怯えます。ミチオは1号機、2号機、3号機、おそらく全員のことを自分のものにしておきたい欲求のようなものがあるのではないでしょうか。それはまるで子供がお気に入りのオモチャのことを独占するかのようです。

そして例えマシーン扱いだったとしても、ミチオに大事にされた女たちはミチオに依存してしまうのかもしれません。

③プレハブ

プレハブはミチオが監禁されている場所です。ミチオがプレハブの外に出ることはありません。出ようともしません。しかしその環境は劣悪です。冷房もなく、蓋をしないと臭いトイレがあり、様々なものが散乱しています。ケイコに言わせると「柔道部の熱気」というレベルで熱と湿気と汗臭さのようなものがこもっているのでしょう。ミチオが普通に飲んでいるコーラも、ケイコが思わず「甘いはぬるいはで大騒ぎだね」と思わず池に捨ててしまうほどのものです。

しかしミチオは、そんな熱のこもったプレハブの窓を開けようともしません。窓の外を眺めたのも、ケイコが月を眺めていた時に隣に並んだ1回だけです。ミチオはプレハブの外の家庭の事情を盗聴していますが、それ以外にプレハブの外に興味を示しているような描写は見られないのです。

初対面では怯えていたはずのケイコがプレハブの中に入り込むと、急に強気に暴力を振るおうとします。たとえ新しい人間が相手でも、自分の安心できるテリトリーの中であれば、ある程度強気に振る舞えるのでしょう。つまりミチオにとってプレハブは、安心できる場所なのです。

サチコは何度もミチオをプレハブから出そうと試みますが、当のミチオは全く協力する気配がありません。唯一出ようとしたのはアキトシがプレハブに火をつけそうになった場面です。しかしその後ひと段落すると、足を切られてプレハブから出られるようになったミチオの様子は、どこか不安そうで悲壮感すらあります。

④他人への関心

ミチオは一般的にいうセックス依存症なのではないかなと思っています。ケイコが上着を脱いだことに焦る場面や、サチコの下着が見えた瞬間に襲い掛かる場面は、ミチオの性欲が本人の意思でコントロールすることが難しいものなのかもしれないと感じさせます。

同時に盗聴依存症とでも言えばいいのか、盗聴が絡んだ時のミチオの様子もかなりおかしくなります。幼稚さと暴力性と狂気を感じさせる表情や言動は、イっちゃってるとしか言いようがありません。なんとなく、ミチオは他人に対して興味を持ちすぎているのかなと感じました。対照的にケイコは、ミチオが嬉々として話すゴシップに全く興味を持つ様子がありません。そして自分とサチコの関係に興味を持たないケイコに腹を立てたようにミチオは乗りかかります。

自分が他人に病的なほどの関心を持っていることは、誰かに関心を持たれ続けたいという裏返しにもなっているのではないでしょうか。そう考えると、アキトシが自分に嫉妬し、コンプレックスと愛情を抱き、自分を監禁している状況というのは、ミチオにとってベストでなくとも悪いものではないのかなと思います。

そして他人に対してアンテナを張りすぎる部分は、新しい環境に慣れることへのハードルをより一層高くしているのではないでしょうか。ミチオは初めてプレハブの外に誘い出されてケイコと会った時、異常に怯えて焦る様子を見せます。ミチオはその前の場面で「今日新しいパートのおばさん来るんだろ?」と言っているので、工場に新しい人間が入ってきていることはわかっていたはずです。

ではミチオの異常な他人への関心を作り上げた原因は何かというと、父親およびアキトシなのではないかと感じます。父親がアキトシのような存在だったのではないかというのは完全なる私の仮説ではありますが、もしそうだとしたら、ミチオは子供の頃から父親や兄の機嫌を察知して生きてこなければいけなかったはずです。自分の身を守るためにはそれしかありません。

暴力から逃れるために他人の機微に関心を持って、持ちすぎた結果、セックスに依存し、他人のゴシップに興奮するという部分に繋がっているのではないかなぁと想像しています。

⑤ミチオの暴力性

ミチオはケイコに自分を殴れと言われて「そんな恐ろしいことできるわけないだろ」と拒否しますが、じゃあミチオが誰かに暴力を振るうことを常に怖がっているのかというと、全くそういう印象はありません。最初にアキトシがいない状況で、サチコとケイコがプレハブに来た時は、ミチオは2人ともに暴力を自然に振るいます。その姿はまるでリトル・アキトシといった感じです。突然モノマネと屁理屈でわけのわからないことを言い始め、サチコとケイコにビンタをする姿は、アキトシと重なる部分がかなりあります。

もしアキトシがいなくなって3人だけで工場で過ごす未来が彼らに存在したとしたら、次に支配者の座につくのはミチオなのではないでしょうか。

ツジヨシ家に生まれたアキトシ、ミチオはあまりにも暴力による支配が当たり前の習慣になりすぎて、そこから抜け出すことはできないんじゃないかなと感じます。

⑥自我

ミチオの自我、自分がこうしたいという欲求は、基本的にとても薄いように見えます。

まずミチオの食事ですが、基本的にはコーンフレークとコーラですし、朝ごはんも白飯に味噌汁と漬物をごちゃ混ぜにしてかき込んでいました。恐らく食事を楽しむという行為に興味がなく、むしろめんどくさいとすら思っているのではないでしょうか。だから手っ取り早くエネルギーを取れる調理のいらないものを好む。

ミチオは食事以外もなんでも受け入れます。本人がそう言います。鎖も受け入れるし、イくときに泡を吹く小太りのオバサンも受け入れますし、ケイコに男性器があると知ってからも、何も変わることなく普通に抱きます。

また、盗聴器の受信機をとんでもないパワーに改造できるようなスキルを持ったミチオです。第二作業所には大量の工具があります。そんな状況で全く逃げ出すことなく足枷だけで監禁されているというのは、そもそも逃げ出す気が全くないと考える方が自然でしょう。何より面白かったのは、プレハブに火をつけられそうになるシーンです。火をつけられれば確実に死にます。

あの時のミチオは確かに切羽詰まって必死でしたが、それでも自分の鎖を自分で切ろうとはしなかったし、巨大な斧でアキトシに襲い掛かることもしませんでした。白い煙の中で「サチコ、早く切れ!3号機、兄貴を止めろ!」を叫んでいるシーンは、非常にミチオらしいと感じました。鎖の長さもそれなりにあるにも関わらず、自分で切る気も止める気もない。それどころか、むしろそういう考えを思いついてすらいないのかもしれません。

また、最後の場面でも、まるでケイコが勝手に町に火をつけにいったかのような口ぶりですが、乗せられたとは言え「3号機、出動―!」と叫んだのは、ミチオ自身です。恐らくミチオがそれを命令することを拒めば、3号機が町に火を付けることはなかったと思います。

さっきも言ったとおり、恐らくミチオはほぼ生まれてからずっと暴力的な支配者の機嫌をとって生きてきたんだと思います。だから自分で状況をどうにかするという発想がないし、どうこうしたいとも思わないし、暴力を振るうのも振るわれるのも違和感はない。自分でどうにか状況を改善しようという意思がない。

 

4)その他考察

・盗聴器の秘密

ミチオが修理した機械に盗聴器を仕込んで夜な夜な聞いていることが途中、ケイコに対して明らかにされますが、ケイコ以外には誰が知っていたのでしょうか。

私は恐らく、サチコが知っていて、アキトシが知らなかったのではないかと考えています。

まず、はじめに盗聴器が登場するのは、ケイコとサチコがプレハブにやって来る前ですが、ミチオはサチコに盗聴器を見られたこと自体を焦ってはいないように見えました。どちらかというと、他人のセックスを盗聴して気持ちよくなっている最中を見られたことに対する恥ずかしさと怒りの方が近い気がしました。

また、ミチオは昼休みからその日の夜ケイコがやってくるまで、盗聴器を部屋に出しっぱなしにしています。逆にケイコの日記が始まると、ミチオは盗聴器を床下の隠し扉に仕舞いました。つまり、ミチオは朝の間にやって来る人物に盗聴器を隠したくて床に隠し扉をつけたんだと思います。

しかしミチオは、手書きの地図をサチコに見られた時に焦ります。「見られた!」というセリフは、サチコに言っていなかった秘密を見られてしまったとも取れますが、地図自体はただこの町に住んでいる人間の名前と赤い丸が描いているだけです。もしサチコが全く地図の存在を知らなかったとしたら、地図の一部分を見ただけで事情を察知して怒り出すのは難しいと思います。ということは、サチコは地図の意味を知っていて、ケイコに地図を見せたことを怒り始めたのではないでしょうか。サチコは「ミチオが先生に相談しようというので私は結構ショックだった」と言っているとおり、ミチオと自分だけの秘密というものに優越感を感じている部分があるのだと思います。そしてミチオも、コーラを飲む姿を見せる時にケイコに「サチコには内緒だからな」と言っているとおり、サチコと自分の秘密をケイコに漏らすことに罪悪感があるのではないでしょうか。

では、サチコはミチオが自分とアキトシの会話を盗聴していると知っていたのでしょうか。私の想像では、むしろミチオが盗聴を始めたのはサチコとアキトシの会話を聞くためというのが最初だったんじゃないかなと思います。また、プレハブの中にいくらものが散乱していて、ミチオが腕の良い電気修理工だとはいえ、そんなに何個も盗聴器の発信機自体を用意するのは難しそうです。そこにサチコが一枚噛んで、発信機の材料などを用意していたんじゃないかなと思っています。

 

・五体満足

ミチオは鎖の理由を聞いてきたケイコに「五体満足な成人男性が鎖で繋がれてるのってすげえ話だろ?」と言います。しかしこの物語には、過不足なく人体のパーツが揃っている人間が2人しかいません。アキトシは生まれつき6本指であり、ケイコは女性でありながら未発達の男性器を持っています。また、アキトシはワニの虫太郎に片方のキンタマを食いちぎられてしまい、最後には玉無しになってしまいました。自分で「五体満足」と発言したミチオも、最終的にはサチコに誤って膝から下を切り落とされてしまいます。唯一最後まで普通の身体だったサチコは死んでしまいました。

身体的に足りすぎている、もしくは足りない3人は、普通の社会に馴染めない部分を象徴しているかのようです。

 

・「マシーン」は誰か

タイトルにもある「マシーン」は、単純に考えれば、ケイコがミチオのマシーンになるという意味だと考えられます。また、脚本の松尾スズキさんによると、元々は『マシーン日記』ではなく、『セックスマシーン』というタイトルにする予定だったそうです。セックスマシーンというワードも、ミチオがケイコに対していう言葉です。

しかし、むしろ様々な人間とひたすら本能的に、自動的にセックスしているのは、ミチオの方です。

また、最初の方で夜の工場に忍び込んで、動く機械を見ながらケイコは、工場にある機械が数値を入力して操作するタイプの機械であること、その機械の指令で働ける喜びを語ります。

この説明が比喩だとすれば、ケイコがミチオに数値を打ち込み、ミチオの指令で動くということなのではないでしょうか。つまり、マシーンはやはりミチオということになります。

 

5)まとめ

書きながら思い出していましたが、やっぱり楽しかったです。

私が現場に飢えていたというのも大きいと思いますが、それを差し引いても満足感のある、なおかつ何度も見たくなる舞台でした。

もう少しまとまった考察をしたかったのですが、これが限界です。

多分読み返しながらちょこちょこ加筆していくと思います。

私が一般チケットで何度もマシーン日記を観に行けたのは、多分コロナで舞台を観に行ける人が少なくなっていたからだと思います。もし夏にドーム公演があることが決まっていたら、それに向けてお金と体力を温存するために1回しか観に行かなかったかもしれません。自担に夢中で、そもそもチケットを取ろうとしなかったかもしれません。

普通にコンサートに行けていたら、横山さんのダンスやカーテンコールを見て感動することもなかったのかもしれませんね。

そう考えると、ある意味マシーン日記にここまでハマれたのは、コロナが会ったからと言うことになると思います。どんな物事でも、全てがマイナスということはないですからね。そう改めて実感しました。

でも、やっぱり早く生で関ジャニ∞に会いたいですね。どうにかこの状況が終息してくれることを願っています。